考える技術・書く技術 第二部 考える技術

考える技術という題名がついているけれど、私の感想だと「整理してチェックする技術」だと感じた。

基本的にはグループ化の分析活動とそれを並べる順序について記載されている。

時間の順序、構造の順序、度合の順序とあるが、構造の順序と度合の順序の区別がけっこう難しい。

ここは順序よりも先に、構造で切っているのか?類似のもので切っているのか?を認識することに注力した方が良さそう。

構造の説明は見える順番に整理、類似のものは伝える順番で整理って感じだと一旦解釈した。

白紙の主張を避けるというのはけっこうわかりやすいし、いろんなところで言われているので割愛。

ただ、具体的な言葉で伝えることの重要さまでは理解していたつもりだったけれど、行動の結果を主張する場合には「行動の最終成果がわかるように記述」という解像度はとても勉強になった。

あたりまえなのだろうけれど、少なくとも私にとってこの本は細かく教えてくれる。

直接書いてあるわけでもないけれど、ピラミッドストラクチャーの各レイヤーに名前をつけることも大切だなと感じた。これもこれまでなんとなく頭の中でやっていたけれど、明確に認識できてはいなかった。

構造上の類似点を見出すという項目も「主部」、「述部」、「判断」に着目している点が”いいじゃん!”と思った。当たり前を認識するって難しいのよ。

「帰納的なジャンプ」って言葉は「帰納法で見出した新しい一般論」って言葉に置き換えて解釈。

そんな感想。

基本的なことを書いてあるのだろうけれど、しっかり理解するって難しい。

あとは、どうやって使うか?だけれど、これは反復だと思う。

それによって発生する一次的な効率の低下はあきらめる。

考える技術 書く技術 第一部 書く技術

コンテンツ開発のため、ロジカルシンキング関連を再度鍛えなおすために読書開始した本。

しっかり理解しようとすると思ったより時間がかかる。
よって、しばらくはバラバラと本の感想を書こうと思う。

これまで、「相手の認識・興味・反応を考える!」みたいな解像度で考えていたのだけれど、まずそこの解像度を高めてもらえました。

  • S(Situation)
  • C(Complication)
  • Q(Question)

ここの部分が自分には弱かったと実感。こちらが今回一番の収穫。

イシューを考えるうえでも、自分の場合、先にここをより深く考える必要があると思う。

たぶん、ビジネススクールで学んだ「クリティカル・シンキング」でも同じようなことは聞いているし、根本は同じだということはわかるのだけれど、

今一度、自分で本を読み、自分で考えると足りなかったところ、偏っていたところが見えてくる感覚。

あと、「綺麗に仕上げてしまうと、ついそれを気に入ってしまう」という文章にも納得。「とりあえず書く」ことの意識をもっと高めないとなと思う。

また、いきなり「キーラインを書くことをしがち」。これもあるあるだと思った。

仮説思考で考えようして、いきなりキーラインで考えがちになっていたなと反省。基礎である導入部でイシューをしっかりつかんで、何を伝えるべきかにもっと集中しないと。

導入部に書くことは「過去の出来事であり読み手が合意する事項」、本文に書くのは「考え」ってのも勉強になる。

「本当に議論に関心があるのはごくまれで、関心ごとは常に行動にある」という言葉も納得。ここをちゃんと分けて考えられてなかったなと思う。

今更読んでいるようじゃダメだなと反省した本だけれど、いまだからよりよく消化できることもあるよねと思って、初心に帰って読みました。

エフェクチュエーション

個人事業を開業したものの、軌道に乗せるどころか、当初やりたかったことが正しいのか?迷ったときに偶然紹介された本

たまたま、別の仕事でエキスパートインタビューしてたら、推奨された本

手法そのものは、なんというか、「ああそうだな、そうかもな」という感想なんだけれど、

それよりも、なんとなく沁みついていたこの本で言えばコーゼーション、馴染み深い言葉だとPDCA思考とか、リスクコントロール思考とか、予測とか、、、

その呪縛から少し開放された感じ。

いや、でも呪縛というのは言葉が悪く、使いわけできる思考力が大事なんだろうと思う。ただ、偏っていたという点では自分にとっては呪縛に近かった印象。

手法や思想の複雑な関係性を安易にわかろうとしないことが、大事だと。最近は良く思う。

そこで安易に「中道」にしちゃうと、なんでもありみたいで議論は進まず、

「みんな違ってみんないい」にしちゃうと、分断になりかねないのだと思う。

複雑であることを認め、それを乗り越えられる人格を自分は身に着けたい。

そして、それをみんなで身に着けて、世界をより面白いくしたい。

と、あらためて思いました。

論点思考

鍛えなおしたかったから、読んだ

いままで読んだ思考系の本の中でも自分にはしっくりきた。

心に残ったフレーズは

「おや!」 と思ったときに、意識 のフックをかけ てくるだけでいい。 おいしい!おもしろい! 変 だ!と思うものに点を打つ。 引き出しにストックするのは大事だが、ストックすることに 一生懸命になりすぎると疲れる。

内田 和成. 論点思考 内田和成の思考 (pp.176-177). 東洋経済新報社. Kindle 版.

少なくとも、勉強ってその方が面白いよねって思う。

これは取り入れて確かめてみよう。まずは自分に対して。

夜と霧

だいぶ有名な名著らしいのですが、私は先月知りました。

お恥ずかしい。

確かに、心を打つ内容でした。

一方、もっと感じられること、感じるべきこと、考えられることは多いと思うのに、

何かそこに至っていない感じがしていて、

自分の感性の鈍さや、知識、想像力、思考力の弱さが悔しい。

ただ、それでも、「生きること」「辛さや苦しみの意味」「大切な人や気持ちを失うということ」を、考える新たに材料を与えてくれた本でした。

こんな浅い感想で語れる本ではないと思うのですが、

読了後の素直な感想です。

人生論ノート

考えすぎてよくわからなくなった時、

友人に勧められた本

読んだ結果、「私はまだ考えすぎてないな…」と思いました。

初読で興味深かった項目は

「懐疑について」

「虚栄について」「名誉心について」

「孤独について」

「希望について」

だったのだけれど、わからないなりに、なんとなく伝わったような

自己認識で、吸収度は多分5%くらい

だから、ここに感想が書けません。

それでも感想を述べるのであれば、

自分に対して、もっと探究しようと、

それはとても難しいことであると認識しようと、

かくあろうと思えたことが、この本からいただけたこと。

いつか、すべての子どもたちに

ティーチ・フォー・アメリカの立ち上げ時からの軌跡を、
創業者であるウェンディーさんの目線で辿った本

話の流れは、ナイキの創業者であるSHOE DOGに似ていて、
「とにかくお金がない」って内容がけっこう多い

起業ってそういうものなのかもしれないなと思った。

SHOE DOGと比べると、ウェンディーさんの性格からか、
優しさにあふれている印象。

ただ、後半の内容がとても力強く、
理想を掲げるだけではなく、結果を約束し、こだわることの大切さがを伝わってきました。

自分も理想だけでなく、結果へのこだわりをもっと強くしたいと思いました。
自社サービスの改定への意欲がもらえた。

読んでよかった。
なんとなく、自分の未来に何かが加わった気がする。

茶の本

私は教員資格認定試験を受けるまで、岡倉天心さんのことを知らなかったのですが、
資格試験の勉強をするなかで、気になったので読んでみました。

「傑作を理解するためには、身を低くして作品の前に進み、そのわずかなつぶやきをも聞き漏らさないよう息をひそめて待ち受けなければならな」

というような記述がいちばん心にのこりました。

率直な感想では、書いてあることを読んで共感することはできるけれど、
「茶道」をやって実感しないとしっくりこないだろうなと。

本を読んだり、勉強するたびにこの壁に当たってる気がする。
これは、わかったつもりでたくさん恥ずかしい気持ちになった経験があるからだと思う。

ただ、この本が書かれた目的の一つには、西洋列強に「日本」を知ってもらうこと、
理解してもらうこと、があったのだろうなと思っています。

そう考えると、次は当時の西洋列強の気持ちになって、読んでも面白いかなと思いました。ただ、その気持ちを理解するのも、けっこう困難な道だよね。と思いました。

道のりは長いよ。

アイデアのつくり方

いまさら紹介するの!?とか思われてしまいそうですが、書いちゃう。

まず、サイズ感がいいです。
持ってて、安心するサイズ。
しかもすぐに読める。

でも内容は濃いです。
これが実行できたら本当にすごいアイデア生まれそう。

言葉をマスターすると、アイデアは息を吹き返してくるものである。

この言葉が印象的でした。

自分も、アイデアつくりにチャレンジします。

世界はシステムで動く

昨年【学習する組織】という本も読みましたが、本の作者同士が大親友らしいです。
そういうのを読んだ後で知ると、ちょっとテンション上がります。

読んで感じた比較になりますが、
【世界はシステムで動く】のほうが、システム思考を詳しく説明
【学習する組織】のほうが、システム思考を組織で具体的に使う方法を説明
している印象です。

【世界はシステムで動く】を読んで、心に残った内容を羅列すると、

  • 私たちが世界について知っていることは全て自分の頭のなかで描いたメンタルモデルであり、それは実際の世界ではない
  • 何かを考えるには境界を作らないと単純化できないから、考えられない
  • 境界もまた、メンタルモデルが作ったもの
  • 境界とは、私たち自身が作っているものであり、新たな議論や問題、目的ごとに考え直すことができるし、考え直すべき
  • 持っている情報は不完全であり、遅れを伴ったもの

です。
他にもいっぱい良かった点はあるのですが、このあたりの記載が特に心に刺さっていています。
湧いた私の感想はですが、

「個人、組織間の境界の差から、善悪、差別、価値観の相違、行き違いとか生まれてそう」
「境界の線に幅もあるだろう」
「何かを考えるとき、“今考えていることの境界は?“って自分に問う癖を身に着けたい」

といった感じです。


元々、経営戦略とかプロジェクトマネジメントを考えるときも、“ドメイン(領域)“って難しいなと思っていたけれど、、、
この本のおかげで、“境界は自分が入手できた不完全な情報でつくった思い込みである“という理解が加わりました。

余計難しくなりました。どこかであきらめることも大事かな?
ありがとうございました。

14歳からの哲学

よかった。

確かに、14歳に読んでほしい。
そして、この本に書いてある内容を考え込んだことがない人にも、
読んでほしい。

自分として、これはわかりやすいなと思った記載は
「良いと思っていることをするのが良いこと」
「悪いと思っていることをするのが悪いこと」
みたいな記載。
私の記載は間違っているかもしれないので、気になる人はちゃんと読もう。

あとは、「自分の身体は自分の所有物ではないのだから、
自分の思い通りにならないとは当たり前」
みたいな記載。

さらっと読めるし、オススメ。

ビジネスデューデリジェンスの実務

自分がM&AとDDとかに関わる日なんて来ないよ!
と言っていた2年後くらいには、関わっていたので、
とりあえず勉強しようと読んだ本

分厚い割には読みやすく、僕にはわかりやすかった。
教科書として使いやすい本だと思う。

「QuickHit(めっちゃ雑に言うと、さっさと出る効果)の抽出」とか
「キツイ仕事は短時間でやること」とか
「ロジックツリーとイシューツリーの説明」とか

その辺が印象的でした。

ただ、こういう本は実務をやりながら、手に取る系だと思っているので、
実務をしながら、何度も触れたらいいなって思っています。

世界は分けてもわからない

福岡伸一先生が書いてくれた本

クリティカル・シンキングとかで分けて満足している僕を
戒めてくれる本

上手に彩る言葉が作れないから、
心に残った文章をそのまま引用するだけ

私達は世界の全体を一挙に視ることはできないが、大切なのはそのことに自省的であることである
あてどなき解像と鳥瞰の繰り返しが、世界に対するということ
そのリアルのありようを知るために、私達は勉強する
私達は、見ようとしているものしか、視ることができない

北斗七星は、同じ平面にあるわけでもなく、ある程度”目の悪い”人にしか認識できない
勝手に人がそう見ようと繋いだもの
明日の空は今日の空と同じではない
私達はたくさんのタイムストッパーでそれらを止めて認識する

世界は分けないことにはわからない。しかし、世界は分けてもわからない

絵でよむ漢文

ゲオで目を瞑って歩き、目を開けた時に目の前にあった本棚で、一番惹かれた本を買ってみるシリーズ第一弾

いきなり大当たり

超有名ですが、李白さんの「春夜桃李園に宴するの序」をそのまま紹介

春夜宴桃李園序(書き下し文)

夫れ天地は万物の逆旅にして、光陰は百代の過客なり。
而して浮世は夢のごとし、歓を為すこと幾何ぞ。
古人燭を秉りて夜遊ぶ、良に以有るなり。
況や陽春我を招くに煙景を以てし、大塊我に仮すに文章を以てするをや。

桃李の芳園に会して、天倫の楽事を序す。
群季の俊秀は、皆恵連たり。
吾人の詠歌は、独り康楽に慚づ。
幽賞未だ已まず、高談転た清し。
瓊筵を開きて以て花に坐し、羽觴を飛ばして月に酔ふ。
佳作有らずんば、何ぞ雅懐を伸べん。
如し詩成らずんば、罰は金谷の酒数に依らん。

春夜桃李の園に宴するの序(現代語訳)

そもそも天地とは、万物を迎えては送り出す宿屋(のようなもの)であり、年月は永遠の旅人(のようなもの)である。
そしてはかない人生は、夢のよう(に短くはかないもの)であって、歓楽を尽くそうとしたところで、どれくらい(の時間が)あるだろうか。
昔の人は灯火を手に持って夜まで遊んだ(と古詩にいう)が、なるほどもっともなことである。
ましてうららかな春が、かすみたなびく春景色で私を呼び招き、天地を作った造物主が、詩文の才を私に一時貸し与えてくれたのだから、なおさら(楽しむべき)なのだ。

桃や李の花咲く庭園に集まって、兄弟たちの楽しみを次々と繰り広げるのである。
優れた詩才をもつ多くの年少の者たちは、皆(南朝宋の詩人)謝恵連のよう(に詩に巧み)である。
(それに比べて)私の作る詩だけは、康楽に及ばず恥ずかしい。
心静かに(風景を)味わう楽しみはまだ終わることなく、高尚な談話は、ますます清らかになっていった。
立派な宴会を開いて、(桃李の)花のもとに座り、鳥が羽を広げた形の杯をやりとりして、月を眺めつつ酔う。
(このような時に)立派な詩ができなければ、どうして心の中の風流な心情を十分に述べることができようか(、いや、できない)。
もし詩ができなかったならば、罰として金谷園の故事にならって杯の酒を三杯飲ませることにしよう。

私が何かに夢中になることを、友達と楽しむことを、遊ぶことを、
肯定してくれている気がして、とても豊かな気持ちになれました。

千年以上前から、今に伝わる気持ち
まさに光陰は百代の過客

ただの漢詩紹介になっていますが、この本
挿絵がまたなんだか楽しげな雰囲気を作ってて
いい気分で読めた気がします。

とても良かったです。