SFです。
SFに触れるのは2001年宇宙の旅以来かもしれない。
人の傲慢さを感じる作品でした。人は、、、
「宇宙にいる知的生命体がいたとして、それは自分達という定規の直線状のどこかにいると思い込みがち」
「わからないものに仮説をつけて、それっぽい証拠をあつめようとして、解明しようとしがち」
「自分が本当に望んでいることは、意外と自分で認めたくないことだったりする」
そんなところがあるのかなと思いました。私もそういうところめちゃくちゃある
めちゃくちゃ簡単にあらすじを紹介すると、、、
ソラリスと言う惑星の「海」はどうも生命体っぽい。しかし、研究してもよくわからない。なんか人の記憶を掬って、それを模倣することがある。しかも記憶にたいしてかなり精密、だが、若干違う。
研究のためにソラリスに行ったら、昔失った恋人が模倣されて現れた。
一緒に研究する仲間たちにも、何かしらの模倣された誰かがいるみたい。でも仲間はみんな何を言っているよくわからない。ソラリスの海に対する向き合い方も違う。
主人公はなんやらかんやら模倣された恋人の存在を認めたけど、いろいろ問題が起こって、最終的にソラリスの海に触りに行く。
みたいな感じ。
面白かったのは、やたらディティールの細かい「ソラリス学」みたいな研究内容。
物語の本筋にはあんまり関係ないと思う。だって、結局ソラリスの海を正しく解明できている人はいないのだから。
「わからないことを、わからないまま受け入れる」
これをやってしまうと、科学とかの発展はないのかもしれないけれど、頭の片隅にはいつも置いておきたいなと思った。
少なくとも、「わからないものに、自分の定規を当てはめて、無理やりわかった気になろうとする」のは、ちょっと傲慢さがあるなと、そんな気持ちになれた本。