私、これまで「エッセイ」というものを、ちゃんと読んだことがなかったんです。
ただ、あこがれている人が勧めていたので読みました。
小説のようにハラハラする事件が起きるわけでもない。 ビジネス書のように「正解」が書いてあるわけでもない。 そこに綴られているのは、日常のふとした瞬間のこと。
正直に言えば、今の私には、この行間に漂う豊かさを心から味わい尽くせるほどの「教養」が、まだ足りないのかもしれません。
「これの何が面白いの?」とまでは言わないけれど、「ふーん、なるほど」で止まってしまう自分がいて、ちょっと悔しかった。
それでも私はこの本を閉じることなく、最後まで読み進めました。
なぜかというと、「エッセイを楽しめる大人」に憧れているからです。
何気ない日常の風景を面白がったり、 一杯のスープや、映画のワンシーンから深い思索を巡らせたり。
そういう「心の余裕」や「余白」を持っている人に、私はなりたい。
